私たちのロートアイアン製品が放つ独特の存在感と、長きにわたり愛される堅牢さ。その秘密は、古くから伝わる「鍛造(たんぞう)」という技法と、職人の揺るぎないこだわりの中にあります。
「鍛造」とは、鉄を真っ赤に熱しハンマーで叩き、延ばし、曲げることで形を成していく加工法です。現代の主流である溶接や切断だけで組み立てる「溶接加工」とは一線を画します。この「叩く」という行為には、単に形を変える以上の意味があります。
熱された鉄は、職人のハンマーによって叩かれるたびに、内部の結晶構造が緻密になり、不純物が排出されます。これにより、鉄は本来持っている以上の強度と粘り強さを獲得するのです。まるで、熱と圧力で幾度も鍛えられた刀剣のように、鉄の生命力が最大限に引き出されます。まさに、「鍛え抜かれた鉄」こそが、ロートアイアン(Wrought Iron)という名の由来なのです。
ロートアイアンの門扉やフェンスでよく見られる槍先デザインは、単なる装飾ではありません。
機能美としての歴史: かつては防犯や侵入防止という実用的な目的を持っていましたが、その鋭利で端正な形状は、同時に空間に威厳と格式を与えてきました。
鍛造の結晶: 既成の型にはめて作る製品とは異なり、御田製作所の矢じりパーツは、職人が鉄の棒を炉で熱し、ハンマーで一本一本叩き出し、先端を尖らせ、あるいは複雑な装飾を施します。
質感と表情: 機械では決して表現できない、手仕事ならではの微妙な鎚目の凹凸や、光の当たり方で変化する表情は、見る者を飽きさせません。一つとして全く同じものは存在せず、それぞれが唯一無二の個性を放ちます。
この手作業による鍛造(たんぞう)によって、矢じりはただの尖った棒ではなく、「堅牢美」を宿した空間を引き締めるアートピースとなるのです。
逆光の中に浮かび上がるのは、まさに「クラシカル」という言葉がふさわしい、精緻な曲線と有機的なモチーフが幾重にも重なるアイアンフェンス。その複雑で優美なデザインは、熟練の職人が一本一本の鉄を熱し、叩き、曲げ、そして溶接するという気の遠くなるような作業の積み重ねによって生み出された「生きた証」です。
一つ一つのパーツが持つ繊細な曲線と、それが規則的に、かつ流れるように連結されていく様は、とても素敵です。特に、繰り返される優美な唐草模様や、アクセントとして散りばめられた花のモチーフは、単調になりがちな連続したフェンスに豊かな表情を与えています。緻密で複雑なデザインを、正確な寸法で、そして均一な品質で多数製作するには、卓越した鍛造技術はもちろんのこと、高度な溶接技術と、何よりも職人の根気と集中力が不可欠です。未塗装の鉄肌が放つ光沢と、整然と並ぶパーツから、まさに「日本の鋼材を使い、丁寧に手をかけて製作する」という弊社、御田製作所の哲学が浸透されています。
完成した暁には、このフェンスが、光を浴びて輝き、影を落としながら、その空間に圧倒的な存在感と優雅さをもたらす姿が目に浮かびます。細部にまで妥協しない職人のこだわりが、使う人の心に安らぎと喜びをもたらす「一生もの」のロートアイアンを生み出します。
門扉、フェンス、手すり。そこに設置されるロートアイアンは、単なる建材ではありません。それは、住まいの顔となり、空間に風格と温もりを与え、そして何十年もの間、家族の歴史を見守り続ける存在です。御田製作所は、この鍛造で生まれる「堅牢な美」を通して、お客様に本物の価値と感動をお届けしてまいります。
本物のロートアイアンをじっくりとご覧ください。
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