ロートアイアンとデザインのコラム
「ロートアイアン」の魅力は、時間と共に深まる風合いと、二つとして同じものがない手仕事の温もりにあります。門扉や手摺りとして納品された製品の裏側では、職人が日々、火花を散らし、鉄と格闘する熱い時間が流れています。
今日は、ロートアイアンの美しさを支える、職人の「日々の手仕事」を紹介します。
ロートアイアン(鍛鉄)の核心は、鉄を熱して柔らかくし、鎚(ハンマー)で叩いて形を整える「鍛造」という工程です。
ただの鉄の棒を、ハンドルのような繊細なディテールへと変えるには、熟練の技が必要です。握るためのハンドル一つにも、お客様の手に馴染むよう、曲げや厚みを調整します。こうした目立たない部分にこそ、ロートアイアンの真の贅沢さが宿ります。

温度の見極め: 鉄が最も加工しやすい「赤熱」の瞬間は短く、そのわずかな時間で一気に形を作らなければなりません。
鎚の痕跡(ハンマーマーク): 職人が意図的に残す、鎚で叩いた凹凸の痕が、機械製品には決して真似できない手仕事の証となり、製品に深みを与えます。

個々のパーツが完成したら、次にそれらを設計図通りに組み合わせて、一つの強固な「構造物」へと仕上げていきます。
溶接は単なる接着作業ではありません。製品が何十年と風雨に耐えられるよう、強度を見ながら、装飾と構造体を完璧に一体化させます。

製品の品質を決定づけるのは、最後の「仕上げ」です。
溶接跡やバリ(突起)を丁寧に削り取り、表面を手で何度も触って確認しながら、滑らかな曲線や一体感を追求します。
私たちが日々、火を使い、鉄を打ち続けるのは、お客様の「一生モノ」の願いを形にするためです。
一見地味に見える切断作業や、繰り返される溶接、そして丁寧な仕上げの裏には「妥協のないものづくり」という職人の熱い誓いがあります。
ロートアイアンの製品に触れたとき、ぜひその鎚の痕跡や滑らかな曲線から、製造現場の熱と、職人の日々の手仕事を感じてみてください。
本物のロートアイアンをじっくりとご覧ください。
暮らしを彩るデザインを専任スタッフがご提案いたします。
※事前にご予約いただければ、スムーズなご案内が可能です。