ロートアイアンとデザインのコラム

職人の「眼」と「手」が創る精密さ

設計図の上に無造作に置かれた、曲げ加工を終えたばかりの鉄のパーツが写っています。まだ冷たい鉄ですが、それぞれが描く曲線にはすでに優雅な生命感が宿っています。これは、熱した鉄を叩き、何度も曲げ直し、ミリ単位の精度で調整するという、気の遠くなるような作業の賜物です。

完成したパーツは、熟練の職人の手によって、パズルのピースのように組み合わされていきます。

職人が繊細なグラインダーを使い、火花を散らしながら、わずかな凹凸を調整している様子が捉えられています。この一瞬の火花は、見た目の美しさを追求するだけでなく、接合部分の強度を高めるための、非常に重要な工程なのです。

大胆さと繊細さが共存するデザイン

完成間近のロートアイアンのスクリーンや門扉も写っています。蔦や葉のモチーフをあしらったクラシカルなデザインは、見ているだけで空間の格式を高めてくれるようです。

高所での取り付け作業に集中する職人の姿が見えます。大きな門や欄間（らんま）が、その空間に収まるように細かく調整する作業には、大胆さと同時に、ミリ単位の繊細さが求められます。

ロートアイアンは、ただ美しいだけでなく、お客様の生活空間に完璧にフィットするように、一つ一つがオーダーメイドで製作されます。この現場で繰り広げられる、大胆かつ繊細な仕事こそが、私たちの「ものづくり」の哲学そのものです。

鉄に宿る、職人の「魂」

ロートアイアン製作の最終的なゴールは、ただ製品を完成させることではありません。それは、お客様の暮らしに美しさと安心を届けること。一見すると無機質な鉄ですが、そこには職人の長年の経験、情熱、そしてお客様への想いが込められています。その一つ一つの工程が、単なる作業ではなく、鉄に「魂」を宿らせるための大切な時間なのです。

御田製作所の製品は、こうした職人たちの確かな技術と、手仕事に込められた温かみによって生み出されています。ぜひ一度、その「魂」を感じてみてください。