COLUMN ロートアイアンとデザインのコラム

2025.09.10製造現場

「手をかける」ということ~現代に息づく、ロートアイアンものづくりの真髄~

大量生産と効率化が当たり前になった現代社会。私たちの身の回りには、機械によって寸分違いない均一な製品が溢れています。便利で安価な一方で、どこか「心」が通わない、そんな物が増えていると感じることはないでしょうか。

そんな時代だからこそ、私たちは「手をかけて製作する」という、古くからのものづくりの姿勢を大切にしています。それは、単に時間をかけることではありません。そこには、機械だけでは決して真似できない、作り手の哲学と、受け取る側への深い配慮が込められています。

 

「想い」を宿らせる、対話の時間

「手をかける」製作とは、素材との対話に他なりません。例えば、私たちが扱うロートアイアンという鉄素材。炎で熱し、鎚で叩くたびに、鉄は異なる表情を見せます。その一つ一つの変化を感じ取り、素材の持つ可能性を最大限に引き出す。これは、熟練の職人でなければできない、まさに素材との繊細な対話です。

この過程で、作り手は、お客様の「こんなものを作りたい」という具体的なご要望だけでなく、その奥にある「どんな暮らしをしたいのか」「どんな想いを込めたいのか」といった「想い」そのものを、心をこめて製品化していきます。

 

 

「見えない価値」が生まれる瞬間

機械では見過ごしてしまうような、わずかなディテール。手仕事では、その一つ一つに作り手の意図が込められます。表面に残る微細な鎚目、完璧ではないがゆえに温かみのある曲線、職人の手で塗装するアンティークなカラー、そして、使い込むほどに馴染んでいく質感。これらは、数値では測れない、製品の「見えない価値」となります。

この「見えない価値」こそが、製品に個性と物語を与え、単なる道具以上の存在へと高めます。それは、使うたびに愛着が湧き、手にする人の心を豊かにする力を持っています。

 

「完璧ではない」美しさと、育てる喜び

機械が作る製品は「完璧」かもしれません。しかし、「手をかけて製作された」製品には、作り手の息遣いや、時に不完全な「ゆらぎ」が宿ります。この「完璧ではない」ことこそが、製品に人間味と温かみを与え、唯一無二の魅力となるのです。

そして、手仕事の製品は、お客様の手に渡ってからも「育って」いきます。経年変化によって色合いや質感が変わり、使う人の生活に寄り添い、共に時間を重ねることで、さらにその価値を増していきます。それは、作り手の想いを引き継ぎ、お客様が「育てる」喜びを味わうことができる、特別な体験です。

 

現代社会にこそ求められる「手の温もり」

「手をかけて製作する」ことは、効率とは対極にあるかもしれません。しかし、そのプロセスから生まれる製品には、作り手の魂が込められ、使う人の心に深く響く「本物の価値」があります。

私たち御田製作所は、これからもこの「手の温もり」を大切にし、お客様一人ひとりの想いを形にする「一生もの」を創造し続けてまいります。

CORPORATE

法人のお客様

設計・施工会社様へ、お客様とのお打合せに弊社ショールームのご利用も可能です。また、プレゼン模型の製作も行っております。

INDIVIDUAL

個人のお客様

個人のお客様へ、ご利用方法やデザイン、施工などについてご説明いたします。わからないことは何でもお気軽にお問い合わせください。

SHOWROOM

ショールーム

本物のロートアイアンをじっくりとご覧ください。
暮らしを彩るデザインを専任スタッフがご提案いたします。
※事前にご予約いただければ、スムーズなご案内が可能です。

Read More

ページトップ