COLUMN ロートアイアンとデザインのコラム

2024.07.19デザイン

ロートアイアンと鋳鉄の融合~ジ・アイアンブリッジ~

今回のコラムは、イギリスのシュロプシャー州にあるジ・アイアンブリッジについて。1779年に完成し、産業革命の象徴として現在も現役で世界初の鉄の橋です。

歴史

18世紀後半、イギリスは産業革命の真っ只中にありました。当時、川を渡るためには木製の橋が主流でしたが、洪水や火災によって頻繁に破損していました。より丈夫で耐久性の高い橋の必要性が叫ばれるようになり鋳鉄を用いた橋の建設が企画されました。鋳鉄は、鉄を溶かして型に流し込んで作る素材です。木橋よりも強度に優れ、加工もしやすいという利点がありました。

ジ・アイアンブリッジの建設は、当時の技術者にとって大きな挑戦でした。橋の長さは約100メートル、高さは約20メートルです。5つのアーチで構成されており、橋全体に鋳鉄が使用されています。

ジ・アイアンブリッジの完成は、産業革命の大きな転換点となりました。従来の木橋よりもはるかに丈夫で耐久性の高い橋が実現したことは、交通網の発展に大きく貢献しました。またジ・アイアンブリッジは、鋳鉄という新しい素材の可能性を世界に示しました。この成功をきっかけに、鋳鉄は橋梁だけでなく、建築物や機械など様々な分野で使用されるようになりました。

その後、1934年にイギリス初の橋梁保存地区に指定され、1986年には世界遺産にも登録されています。

現在も、ジ・アイアンブリッジは観光客の人気スポットとなっています。橋の上からは、美しい景色を楽しむことができます。また、橋の近くには博物館があり、ジ・アイアンブリッジの歴史や産業革命について学ぶことができます。

ジ・アイアンブリッジの素材

ジ・アイアンブリッジは、18世紀後半に開発された鋳鉄という素材で作られています。鋳鉄は、鉄を溶かして型に流し込んで作る素材で、ロートアイアンよりも脆いですが、量産性が高く、複雑な形状にも成型しやすいという利点があります。

 

ジ・アイアンブリッジにおけるロートアイアンの役割

ジ・アイアンブリッジは、鋳鉄で作られていますが、橋の建設にはロートアイアンも重要な役割を果たしました。

アーチ部分の補強: 鋳鉄製のアーチ部分には、ロートアイアン製の部材が組み込まれており、強度を高めています。

装飾: 橋の欄干や装飾部分には、ロートアイアン製の部材が使われており、橋全体の美観を高めています。

ジ・アイアンブリッジは、ロートアイアンと鋳鉄という二つの素材を融合させた革新的な建造物です。ロートアイアンの強さと柔軟性、鋳鉄の量産性と成形性、これらの利点を活かすことで、世界初の鋳鉄製アーチ橋の建設を実現することができました。

ジ・アイアンブリッジの意義

ジ・アイアンブリッジは、単なる橋ではなく、産業革命の象徴であり技術革新の力強さを示すものです。

ジ・アイアンブリッジを訪れることで、私たちは産業革命の歴史を肌で感じることができます。また、技術革新の重要性についても改めて考えさせられます。

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