さて、本日も弊社工場からお届け致します。
ロートアイアンの製作において、溶接は単なる接合手段ではありません。それは、熟練の職人が鍛え上げた鉄の造形を、いかに美しく、そして強靭に結びつけるかという、最後の、しかし最も重要な工程の一つです。御田製作所では、その追求の先にTIG(ティグ)溶接という選択肢があります。
一般的な溶接方法では、溶接部分が盛り上がったり、スパッタ(溶けた金属の粒)が付着したりすることで、仕上げに多くの手間がかかり、場合によっては美観を損ねることもあります。しかし、TIG溶接は、その欠点を克服します。
TIG溶接は、不活性ガス(アルゴンガスなど)のシールド下で、タングステン電極と母材の間にアークを発生させ、必要に応じて溶加棒を加えて溶接する手法です。この方法の最大の特長は、非常に精密でクリーンな溶接が可能であること。スパッタの発生がほとんどなく、溶接部分の盛り上がりも最小限に抑えられます。
これにより、複雑な曲線や繊細な装飾を持つロートアイアン製品において、溶接部分が目立たず、まるで一つの鉄から削り出されたかのような、滑らかで継ぎ目のない美しい仕上がりを実現できます。これは、デザイン性を何よりも重視するロートアイアン製作において、決して妥協できない美の追求です。
美しさだけでなく、TIG溶接はロートアイアン製品の究極の堅牢性を支えています。
TIG溶接は、溶接部分の酸化を防ぎながら、ゆっくりと確実に溶け込ませるため、他の溶接方法に比べて溶接部の品質が非常に高く、強度にも優れています。これは、屋外に設置される門扉やフェンス、バルコニー手すりといった製品にとって不可欠な要素です。長年の風雨や外力に耐え、安全性を確保するためには、接合部の強度が何よりも重要となるからです。
御田製作所のロートアイアンが「一生もの」として、世代を超えて受け継がれる耐久性を持つのは、鍛造技術や防錆処理だけでなく、このTIG溶接によって確保される目に見えない堅牢性に支えられているからです。
TIG溶接は、その精密さゆえに、溶接工には高い技術と経験が求められます。アークの安定性、溶加棒の送り方、トーチの角度や速度など、職人の繊細な感覚と熟練の技が、TIG溶接の真価を発揮させます。御田製作所の職人は、長年の経験で培われた確かな技術と、製品一つ一つに魂を込める情熱を持っています。彼らの手によって、ロートアイアンの各パーツは、TIG溶接によって見えない形で結合され、まるで最初から一体であったかのような、完璧な構造と美しさを獲得するのです。
TIG溶接は、御田製作所が追求する「美」と「信頼」を具現化するための、不可欠な技術です。目に見えるデザインの美しさだけでなく、その内側に秘められた溶接の精度と強度が、私たちのロートアイアンを唯一無二の存在にしています。
これからも御田製作所は、TIG溶接をはじめとする先進技術と、伝統の職人技を融合させることで、お客様の期待を超えるロートアイアン製品を創造し続けてまいります。
本物のロートアイアンをじっくりとご覧ください。
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※事前にご予約いただければ、スムーズなご案内が可能です。