ゴシック様式は、12世紀半ばからイル・ド・フランスを中心に形成された建築様式であり、大都市のカテドラルにおいて、その典型例を見つけることが出来ます。
まずイギリスへと展開したゴシック様式は、13世紀になるとイタリアやドイツ、スペインなど周辺地域へと波及していきました。15世紀のロートアイアンは、常温で鉄を加工していたため、木や石の装飾に比べ、デザインに限りがあり、シンプルです。ヨーロッパ全土に受け入れられたゴシック様式とともに、全ヨーロッパへ鉄工芸が伝播していきました。
現在でも、スタンダードの様式として時代を超え、全世界で見ることが出来るデザインです。
ルネサンスという言葉は、主に15、16世紀イタリアの芸術史上の様式あるいは時代概念を指す”rinascita”という「再生」を意味する言葉に由来します。古典古代の復古を目指したルネサンス様式は、より装飾性を帯び、巨大化した鉄製品に施しました。金塗・銀塗といったカラーリングが特長です。
バロック様式は、16世紀の宗教改革を経験して再構築されたキリスト教カトリック勢力の表現として、17世紀前半のローマで華々しく誕生し、すみやかにトリノ、ナポリ、ヴェネツィアへと伝わり、さらにヨーロッパ諸国に伝播しました。熱狂的な信仰心を求めたカトリックの情動性と専制君主の権力を象徴するにふさわしい様式として広く流布し、幻想性豊かな装飾を特長とします。
18世紀フランスの貴族たちのサロン文化、宮廷文化を背景として、バロック建築の重厚でダイナミックな表現から、軽快で優雅、繊細な表現と大きく転換されました。それがロココ芸術のイメージです。イギリスでは受け入れられなかったが、ヨーロッパ大陸では大いに受け入れられました。繊細さの表現として、花などのモチーフを中心にしています。
壮麗だが重くない、というのがロココ様式の特長です。
ヨーロッパ大陸ではアーツ・アンド・クラフツ運動の影響を受けて、建築に全く新しい形態が現れました。
草木や葉などのようにS字型の流れるような曲線を、鉄やガラス、タイルなど新しく大量に供給されるようになった工業製品を使って作りだすアール・ヌーヴォー。
曲線だけで十分な装飾性を表現しようとするのが、特長です。革新的なその様式は、現在でも多くの人をひきつけてやみません。
1925年、現代工芸美術国際博覧会、略称アール・デコ博がパリで開かれました。バレエなどのロシア趣味、ジャズやカクテルなどのアメリカ趣味、ツタンカーメン発掘を契機とするエジプト趣味、浮世絵や和室、着物などの日本趣味、アール・デコの要素の多くはフランスのものではありません。
しかしフランスはそれらの、あらゆるエキゾティシズムを受け入れて、そこからモダンなライフスタイルを提案しました。ヨーロッパでは反響はあまりありませんでしたが、新興国アメリカ、日本で大いに受け入れられました。幾何学的な文様に、草花をモチーフとしたデザインが特長です。
反歴史性、反文脈性、非象徴性といった面で特色ある和風様式は、きびしい直線と素材の持つ風合いだけで美を表現します。
装飾性を捨て、鉄素材の表面加工の多様性だけの、スタイリッシュなデザインが特長です。
本物のロートアイアンをじっくりとご覧ください。
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