ロートアイアンの美しい装飾は、中世以降のヨーロッパ建築に多く取り入れられてきました。
ヨーロッパでは現在も古くから建築された美しい景観が数多く残されています。ヨーロッパの街並みで数多くのロートアイアンを眺めてみると建物の装飾的な役割を担い全体のアクセントとなっている印象です。
ちょうど、人が宝飾品を身に着けると印象が変わるのと同じように、ロートアイアンは建物の宝飾品のようなイメージです。上質で自由なデザインのロートアイアンは、建物全体をドレスアップしてくれます。
ヨーロッパを中心にロートアイアンが広く長く愛され続けてきたのには理由があるはずです。そこで世界のロートアイアンに注目して、歴史と伝統が育んできたロートアイアンの魅力に迫ってみたいと思います。
何百年も前から愛され続けているロートアイアンですが、特にロートアイアンが親しまれてきた世界の国々に焦点をあてていきたいと思います♪
今回のテーマ、伝統を重んじる「イギリス」です。
イギリスには歴史や文化を象徴する数多くの名建築があります。18世紀後半から19世紀にかけて歴史上もっとも繁栄していたビクトリア朝時代のデザインや建築からは背景にある歴史や文化を垣間見る事が出来ます。
19世紀後半、イギリスで起こった産業革命によってあらゆるものが大量生産されるようになると機械化が進み工業化されていきました。それに伴って、当初は軽工業として必要とされていた鉄ですが増えていく工場や鉄道の製造にも鉄が必要とされ製鉄技術の改良が必要となりどんどん発展していきました。
それによって、より質の高い鉄を大量に作ることが可能となり鉄が徐々に普及していきました。
産業革命に伴い、多くの職人は仕事を失いましたが、ウィリアム・モリスが工業化に異議を唱え伝統的な手仕事や職人技術を見直すべきというアーツアンドクラフツ運動をおこしました。
職人が作る労働の喜びのこもった製品は使い手にも喜びをもたらすのだと信じ、モリスはより多くの人々の生活を豊かで美しいものにしたいという強烈な想いを持っていました。
喜びのない労働は不幸であると考えるモリスにとって、この運動は人生をかけた大仕事となりました。
そんな背景の中、世界的にも有名なバッキンガム宮殿の正門は地元の芸術品や工芸品の保存に深い関心を持つ組織である地元のブロムスグローブギルドに委託されました。地元では錬鉄の職人技術が大変評価されており特に正門の紋章は彼らにとって特別な作品となっています。
紋章はイングランドとスコットランドを表すライオンとユニコーンで構成され(図①)、英国の国章の4つの象限を示しています(図②)
4つの象限にはそれぞれ独自のシンボルがあります。竪琴はアイルランドを表し、3頭のライオンと起立ライオンはイギリスを表します。
門の上部やところどころの細工飾りには金色で豪華さと優雅さが加えられ、格式、風格、伝統、すべて備わった素晴らしい作品ですよね。
イギリスには、他大英博物館やビッグベンの近くのフェンス、大邸宅、素敵なロートアイアンがあたり一帯に見られます。
レストランのサインのあるアーチや公園の入り口、集合住宅の門扉にもロートアイアンがあり、ロートアイアン観光するには歴史や文化も感じられ色々な楽しみや発見があります。
次回はフランス編をお届けしたいと思います♪
皆様、週末寒くなるようですがどうかご自愛下さい♪
最後までお付き合い下さりありがとうございます。
本物のロートアイアンをじっくりとご覧ください。
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