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さて、本日のコラムは世界のロートアイアンシリーズ。今回は「フランス」をお届けします。
フランスと言えば、ファッションやデザインの最先端の国であるイメージがあります。街を歩くだけで美しい都パリを中心としてロートアイアンに焦点をあててみてもデザインが様々で多様な楽しみがあります。
フランスでは、ナポレオン全盛期時代に各国から戦利品として芸術品がルーブル美術館に送られ多種多様なコレクションで溢れていました。各国の芸術品を強奪したのですから、けして褒められたことではないかもしれません。
しかし世界の創造や知識を集結させた行動力とその後の美術品への再評価や世界の美術の発展に影響を与え貢献したことは偉業だと感じます。
フランスのデザインの歴史を見ても多種多様なデザインがありデザインの感度がとても高いのはそういった背景もあるのでしょうか。
フランスといえば、なんと言っても圧倒的な存在感を放つヴェルサイユ宮殿の正門。10万枚の金箔で装飾されていると言われます。美しくて、華美で、気品に溢れ、瀟洒で、芸術的なデザインを感じますね。
産業革命によって、機械で大量生産された粗悪の製品が出回ったことに反して、職人の手仕事を見直そうとイギリスで興った「アーツ・アンド・クラフツ運動」に端を発し19世紀末~20世紀初頭に生まれたアール・ヌーヴォー。アール・ヌーヴォーとはフランス語で「新しい芸術」という意味を表します。重々しく華のあるゴシックスタイルと優雅なロココスタイル、そして華麗なバロックスタイルと、当時フランスで流行したジャポニズムが混ざり合って誕生したと言われています。
アール・ヌーヴォーは花や植物などをモチーフに、鉄やガラスなど当時の新しい材料を使ったデザインが特徴で、従来の様式にとらわれない自由な装飾をほどこしたデザイン様式です。また、芸術性・独自性を高めるため、斬新な素材を取り入れた新しい試みも見られます。
フランスのアール・ヌーヴォー建築の代表者とも言われるエクトール・ギマールが設計したカステル・ベランジェ。好奇心旺盛なギマールの作品は独特で自由なデザインですよね。当時新しい素材であった鉄ですが、変幻自在の鉄を使うことによって、自由で軽やかな装飾になっています。
有名なパリの地下鉄駅にもギマールの設計が採用されており、歴史的建造物として指定されています。
この建物は、ソルボンヌ大学に属している誰でも利用出来るパリの公共図書館の1つです。フランス人建築家アンリ・ラブルーストが建てたもので、美しい鉄製アーチが天井に続いています。鉄骨建築の先駆けとなった19世紀の新古典主義様式ですが今でもため息が出るほど美しいいですね。教会の雰囲気も残っていてアーチの装飾も端正で全体的にとても綺麗です。
フランスには他にも代表的な作品がいっぱいあるので、また改めてご紹介させて頂ければと思います♪
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