COLUMN ロートアイアンとデザインのコラム

2021.04.30その他

ロートアイアンの歴史について

ロートアイアン画像

当社はエジプト、ギゼーで発見された、紀元前3500年前の鉄のビーズを紀元とする説を採用しております。meteoric ironということですから、鉄鉱石から製鉄したものではなく、隕石の中から出てきた鉄分を加工したものと思われます。世界史用語集(山川出版)あたりで、鉄といえばヒッタイトと暗記しておられる方も多いでしょう。でもヒッタイトの鉄は、製鉄したものです。しかも、現在の歴史研究では、ヒッタイト以前から製鉄技術があったことが明らかになっております。紀元前18世紀のことです。紀元前3500年前から紀元前1700年代までは、鉄鉱石ではなく、鉄として存在していたものをエジプトはじめ、メソポタミアでは利用していたようです。利用はしていても、鉄を作れなかったんですね。

 

何でこんなことを言うのかというと、ロートアイアン各社によって色々説が違うからです。

大きく、

  • ①当社と同じ紀元前3500年前を紀元とする説
  • ②紀元前3000年前とする説
  • ③紀元前18世紀のヒッタイトあたりから、とする説
  • ④中世ヨーロッパを紀元とする説

 

このうち、②はメソポタミアのことを指していると思いますが、①と②の差は、①装飾品としての利用 ②刀剣としての利用にあるということです。メソポタミアに特徴的な出来事としては、鋳物の発明です。しかし、ご存じの通り、ロートアイアンは鋳物ではありませんので、メソポタミアをロートアイアンの起源とするには無理があると思います。

③の鉄鉱石からの製鉄を紀元とする説には、一定の説得力があります。ただ、それ以前に人間は鉄を加工し、利用していました。ロートアイアンを製鉄技術ではなく鉄の加工方法と捉えるならば、利用時代は含めるべきではないでしょうか。

④を紀元とする理由はもっとわかりません。ヨーロッパ中世の始まりとされる5世紀に、やっとイングランド(ブリタニア?)まで製鉄技術が伝わったのは確かですが、特に革新的な技術をヨーロッパが発明した事実もなく、むしろ鋳物技術を高度に高めた中国より遅れていました。

それどころか、752年に奈良の大仏を作った日本より、金属加工技術が遅れていたと思います。そんな地域がロートアイアンの起源である、とするには無理があると考えます。

我々は、鉄を利用、加工しはじめた紀元前3500年説を採用しています。ロートアイアンとは、鋳型に流し込んで成型するのではなく、ハンドメイドで加工する技法を指しているからです。

①~④まで、全てハンドメイドの鉄(=ロートアイアン)を前提とした説です。それならば、最古の①を採用すべきではないでしょうか。

 

参考文献

1, DECORATIVE IRONWORK ( Marian Campbell , V&A Publications 2000年)

2, Decorative Ironwork ( Margarete Baur – Heinhold , A Schiffer Design Book 1996年)

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