15世紀以前に製作されていたベルギーの製鉄品は決してヨーロッパのロートアイアンで有名な国々の製品と比べて見劣りするものではなかったのですが、残っている作品がとても少ないため過少評価されてきました。しかし、15世紀に入る頃から、イギリス海峡全域にベルギーの職人による作品が評価されるようになりました。スペインに占領される前の16世紀前半にはドアや窓、チャペルの面格子など、さまざまな形の鉄工品がありました。現存する作品はほんのわずかです。
その中でも、代表的な作品としてはブリュッセルにあるオテル ド ヴィルにあるリュネットや
聖バーフ大聖堂の窓格子
などがあります。
16世紀後半は、当時のスペインの将軍アルバ公による弾圧により何百人もの職人がイギリスに追放されました。スペインによる支配後、ベルギーにはほとんどベルギーで製作された作品は残されておらず製鉄品はフランスからの輸入品にとって代わってしまいました。
こういった歴史的背景から、素晴らしい職人が製作してきた作品が残されていないのは残念ですが、だからこそ現存する作品は貴重な作品です。
壁面の絵画と共に、らせん階段の芸術的なロートアイアンの手すりが見事です。
窓の面格子もユニークなデザインで目を引きます。独自性のある素晴らしい作品の1つです。
アールヌーボー建築家、ヴィクトール・オルタが建築した、ベルギーのサン=ジル、アメリカ通りにある邸宅は、現在は「オルタ美術館」となっています。この邸宅は、オルタの他の3つの邸宅と共に「建築家ヴィクトル・オルタの主な都市邸宅群」としてベルギーの世界遺産に登録されています。オルタは建築だけではなく、家具、床のモザイク、ステンドグラスの窓、壁画などの内装も全てコーディネートした4階建ての家を貫くように、螺旋階段が続き、階段の上にある見事なガラス天井からも光が取り入れられる造りでとても美しい建築物です。
ベルギーには、他にもポールアンカールが設計した自邸ですとか見ごたえがたっぷりある建築が数多くあります。アールヌーヴォ建築に興味のある方は最高に楽しめるはずです♪
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