ロートアイアンとデザインのコラム
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- 【京都府】美しいデザインのある街－南禅寺界隈
目次
- 南禅寺界隈
- 南禅寺
- 明治時代における京都の近代化政策
- 南禅寺界隈別荘庭園群
- ①碧雲荘（へきうんそう）
- ②何有荘（かいうそう）
- ③対龍山荘（對龍山荘）（たいりゅうさんそう）
- ④流響院（りゅうきょういん）
- ⑤清流亭（せいりゅうてい）（旧塚本與三次邸）
- ⑥有芳園（ゆうほうえん）（旧住友友純別邸）
- ⑦真々庵（しんしんあん）（旧染谷寛治別邸）
- ⑧無鄰菴（むりんあん）（旧山縣有朋別邸）
- ⑨清風荘（せいふうそう）
- ⑩智水庵（ちすいあん）
- ⑪怡園（いえん）
- ⑫洛翠（らくすい）
- ⑬料理旅館「八千代」
- ⑭料理旅館「菊水」
- ⑮居然亭（きょぜんてい）
- まとめ
- 関連リンク
南禅寺エリア
本日のコラムは、京都は南禅寺エリアをご紹介したいと思います。
南禅寺界隈の美しい街並みは、明治時代から日本の政治家や実業家に好まれてきた場所です。
美しい日本の数寄屋造りに日本庭園が広がる邸宅が多く国の重要文化財に指定された場所も多くあります。
南禅寺
700年以上も昔に開創された臨済宗南禅寺派の総本山です。最も格式が高く、禅宗の中でも最高峰にあると言われた歴史のある寺です。
明治時代に神仏分離令や社寺上知令により，現在の境内地を除いた寺領を失い、さらに無檀無住寺院の廃寺令や合寺令によって寺院を失いました。これらの旧境内や跡地は民間へと払い下げられ、明治20年代後半から昭和初期にかけてこの地に多くの別荘庭園が生まれました。
これらの庭園を総称して，「南禅寺界隈別荘庭園群」といいます。
庭園のほとんどは、近代日本庭園の先駆けとして知られる七代目小川 治兵衛（おがわ じへえ）が作庭しました。
明治時代における京都の近代化政策
庭園群が生まれるきっかけとなったのが、京都の近代化政策において最も大きな事業となった琵琶湖疏水計画です。
疏水することで水車の動力を使い南禅寺界隈は工業地化されようとしていました。しかし、水車動力から水力発電へと計画が変更し電線で各地への供給が可能となった結果、水車の利用価値がなくなってしまいました。近江出身の実業家、塚本与三次（つかもとよさじ）が京都市からこの水車の権利（水利権）を買い取り七代目小川 治兵衛との連携で、南禅寺界隈での作庭活動を活発化させたと言われています。
こうして開発された南禅寺界隈別荘庭園群の敷地には15邸の広大な別荘が建ち並んでいます。
南禅寺界隈別荘庭園群
①碧雲荘（へきうんそう）
もとは、野村財閥を作った野村徳七の別荘で、現在は野村ホールディングス所有。17棟の建築物が意匠的に優秀な近代和風建築としてその土地と共に国の重要文化財に指定されています。
②何有荘（かいうそう）
もともと大阪・稲畑産業の創業者が保有し「和楽庵」と称されていましたが、2代目・大宮庫吉が「何かあるようんで何もない、何もないようで何かあると」いう禅の言葉から「何有荘」（かいうそう）と改名。
現在は日本好きで知られるオラクルの設立者ラリーエリソンがこの別荘を保有しているそうです。
③対龍山荘（對龍山荘）（たいりゅうさんそう）
明治時代の経営者・伊集院兼常の別荘として造営され、呉服商の市田弥一郎が譲り受けて改修し市田株式会社が保有していました。現在はニトリホールディングスに売却されニトリの保養所となっているそうです。
④流響院（りゅうきょういん）
もともと塚本与三次さんが所有し「福地庵」と称されました。現在は、真如苑保有。
⑤清流亭（せいりゅうてい）（旧塚本與三次邸）
もと塚本与三次さんの別荘。東郷平八郎が「清流亭」と名付け現在は、大松株式会社所有。
⑥有芳園（ゆうほうえん）（旧住友友純別邸）
もとは住友友純の別邸でした。住友財閥所有。
⑦真々庵（しんしんあん）（旧染谷寛治別邸）
もとは染谷寛治の別邸でしたが、松下幸之助の別邸となり現在はパナソニック所有。
⑧無鄰菴（むりんあん）（旧山縣有朋別邸）
明治の内閣総理大臣で元帥陸軍大将・山縣有朋の別邸でしたが、現在は寄贈され京都市所有。一般にも開放されていてカフェも併設しています。
⑨清風荘（せいふうそう）
西園寺公望の別邸でしたが、現在は京都大学が保有。主屋などの建造物12棟が重要文化財に指定されています。
⑩智水庵（ちすいあん）
もともとは、尾小屋鉱山で財を成した元金沢藩士、実業家の横山隆興氏の別荘。現在は、元ZOZOTOWN社長の前澤氏が購入したと言われています。
⑪怡園（いえん）
もとは旧細川家の別邸でしたが、現在はオムロン株式会社所有。
⑫洛翠（らくすい）
もとは実業家の藤田小五郎の邸宅でその後、日本調剤が研修施設として利用しました。現在は、ユニクロ柳井氏所有。
⑬料理旅館「八千代」
もとは、江戸時代の国文学者であり、「雨月物語」の著者でもある上田秋成が晩年隠棲し、自ら「うずら居の庵」と名づけ余生をたのしんだ旧跡で知られています。
⑭料理旅館「菊水」
もとは呉服商である寺村助右衛門の別荘。
⑮居然亭（きょぜんてい）
もとは紙業で財を成した第4代中井三郎兵衛の別邸。1966年（昭和41年）に実業家らへ譲渡される際、分解され一部は除却され現在は部分的に現存しているそうです。
まとめ
南禅寺界隈は、古くから日本の美しさが際立つ素晴らしいエリアです。
散策しながら歩くと、屋根の上に鳳凰の珍しい瓦があったり日本庭園の美しい眺めが見えたり、手の込んだ日本建築や風景を楽しむことができます。
日本の「侘び寂び」を感じながら移り変わる美しい四季を存分に楽しむことができる素敵な場所です♪
ロートアイアンのデザインにも日本を感じられる和なものももっと製作していきたいですね。
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